無農薬栽培について
アイガモ水稲同時作(アイガモ農法)のきっかけ
以前より但馬牛の堆肥を主体とした有機肥料を使用し、極力農薬を使用しないお米作りに取り組んでまいりまし
た。しかしどんなにがんばっても、田植え直後に1回だけ使用する除草剤を止めることは出来ませんでした。
沢山の面積を作っているため、物理的にも手作業で草を取ることは出来ず、無農薬でお米を作ることを諦めかけ
ていた時に、このアイガモ水稲同時作に出会いました。1996年より始めて、今年で9年目になるアイガモ農法で
すが、雑草をとって害虫を食べてくれるだけなく、中耕までやってくれ期待以上の働きをするアイガモ君にとても
助けられています。
田植えの6日後に生後2週間のアイガモを放す |
アイガモ水稲同時作とは 簡単に言えば、田んぼにアイガモを放して殺虫剤・除 草剤でする殺虫・草取りの替わりに、除草・害虫の駆 除をしてもらい無農薬でお米を作る農法です。その 他にもアイガモを入れることによっておこるいろい ろな効果が確認されています。 ・草除効果 アイガモ農法のもっとも基本的な効果。水田の条件 にもよりますが、10aあたり15匹のアイガモで水 田内の除草は大体できます。 |
![]() 元気に虫や草を食べるアイガモ 我が家の田んぼに沢山いる、このカブトエビもアイガモの好物のひとつ。毎年毎年食べ尽くされていなくなるのに、また次の年にはちゃんと発生しています。どこで繁殖しているのでしょう、不思議。 |
・害虫防除効果 雑食性のアイガモは、水田内のウンカ類など害虫を 好んで食べるため害虫防除効果も抜群です。 ・中耕など アイガモは泳ぎながら水田を掻き回し、水田内に酸 素を補給するとともに、常に水を濁らして水温を上 げ稲の成長を助けます。。稲についている虫を食べ たり、アイガモが動くことによって与えられる接触 刺激が稲に作用し茎太で、株張のよいしっかりとし た稲を作ります。 ・肥料の供給 アイガモの排泄する糞尿は、有機肥料となって稲の 長に役立ちます。 |
アイガモ水稲同時作 田植えまでの作業は、低農薬有機米についてのペー ジにあるのと同じです。田植えの時には、アイガモの 集会スペースを作ります。アイガモは集団で行動す るため、所々に集合場所を作ります。水田の全面に 苗を植えていても、苗を踏み潰し集合場所を作ってし まうので最初から苗を植えない空地を作ってあげます 次に、田んぼの周りにネットを張り電気柵をしてアイ |
![]() 小屋の周りでくつろぐアイガモ達 |
ガモが逃げないように、そしてイタチや犬などに襲わ れないようにします。田んぼの準備が整うと、いよい よアイガモの放鳥です。田植え後約2週間経った田に 生後2週間前後のアイガモのヒナを放します。この時 期とアイガモの大きさを違えると、植えたばかりの苗 が、アイガモにかき回されて浮いてしまったり、放鳥 が遅いとヒエなどの強い雑草が蔓延してしまったりと 大変なってしまうので注意が必要です。 |
アイガモ農法実施田の遠景。手前がアイガモの小屋 |
![]() 現在、8枚の田んぼで、計2.5ヘクタールをアイガモ農法によって栽培しています。 |
次に、アイガモが田んぼ全体を、泳ぎ回れるように 水の管理と、一日一回程度くず米などの餌遣りを、 出穂まで70日程続けます。 稲の穂が出ると、くちばしをつかい茎を折っ籾を食べ てしまうので、稲が穂を出すころに田から引上げます まだ始まって日の浅いアイガモ水稲同時作はこれ からもっと研究が進んで色々な事が解明されてくる と思いますが、逞しい稲を育て、美味しいお米を作 ってくれる、理屈ぬきで素晴らしい農法です。これ からずっと続けていこうと思っています。 |